マニュアル › 10 折り返し
CHAPTER 10
折り返し
自機が出した信号を別の行で受け直し、遅延・マージ・カーブを組み合わせます。例の U はユニバース番号です。
10.1折り返しとは

折り返しは、このPCが一度出したユニバースを別の行の INPUT で受け直し、行をつないで使う方法です。別のPCへ出した値を次の行で受ける形もあります。本製品は卓から来た値を作り替えて送る道筋を行として組み立てます。折り返しがあるから、一つの卓の値をデバイスごとに違う時間で届けたり、別々に処理した値を合わせたりできます。自機の出力が入力に見えることは、この道筋が通っている状態でもあります。
10.2例1:デバイス別ディレイ配信

同じコンソールの U100 を行1で受け、U1 に送り出します。行2と行3はその U1 をそれぞれ受け直します。行2は100 ms遅らせてU101へ、行3は200 ms遅らせてU102へ送ります。こうすると、同じ元信号をデバイスごとに違う遅延で個別に届けられます。行2と行3は並列の枝であり、100 msと200 msを足す構成ではありません。
- 行1:U100 を受信 → U1 で出力
- 行2:U1 を受信 → DELAY 100 ms → U101 で出力
- 行3:U1 を受信 → DELAY 200 ms → U102 で出力
10.3例2:マージによる多段ディレイ

二つの入力を違う時間だけ遅らせてから、一つに合わせる例です。行1はU100を100 ms遅らせてU1へ、行2はU101を200 ms遅らせてU2へ送ります。行3がU1とU2を受け直してマージし、U3へ送り出します。一つの行のマージはDELAYより前に行われるため、二系統を別々に遅らせたい時はこのように行を分けます。マージでどちらの値を採るかはHTP/LTPの設定によります。
- 行1:U100 を受信 → DELAY 100 ms → U1 で出力
- 行2:U101 を受信 → DELAY 200 ms → U2 で出力
- 行3:U1 と U2 を INPUT でマージ → U3 で出力
10.4例3:デバイス別の色味調整
同じコンソールが作った色でも、出す先の器具や画面によって見え方が違います。共通の入力を一度送り出して別の行で受け直し、適用先ごとに別々のATTENUATORとカーブを割り当てます。器具の色味補正、配信モニタの色域合わせ、xR空間向けの調整を、それぞれの行で行う考え方です。カーブ機能は、入力の値を出力の値へどう対応させるかを決め、こうした丁寧な色味合わせに使います。
- 共通のコンソール信号を受ける行:折り返し用ユニバースへ出力
- 器具向けの行:そのユニバースを受信 → 器具向けのATTENUATOR/カーブ → 器具へ出力
- 配信モニタ・xR向けの行:同じユニバースを受信 → 別のATTENUATOR/カーブ → 各先へ出力
10.5折り返しで気を付けること
- 自機の信号もINPUTから見える。 自機が出した信号も受信元として数えられます。赤い衝突警告は「折り返しだから必ず出る」印ではありません。同じユニバースを複数の送信元が出している時の表示を確認します。
- sACN の場合。 同じユニバースに複数の送信元があり、Priorityが異なれば衝突判定にならず、同じPriorityなら赤点滅の対象です。INPUTの表示を見て送信元と優先度を確認します。
- ArtNet の場合。 出力先に
Unicast to self (loopback)を選べます。この選択は固定IPの手入力ではなく、選択中のArtNet用通信ポートの自機IPへ送ります。ArtNetにはsACNのPriorityに当たる値はありません。 - 後段の行の開始。 入力が一度も届いていない行は値を送らず、DELAYを入れた行は最初の値がその遅延を通ってから送ります。「まだ値がない」と「卓が本当にゼロを送った」は別の状態です。
- Universe View のページと運用中の行。 一覧で見るページを移しても、Studioの行が折り返しに使う入力は維持されます。画面に表示していないことだけで、行の入力が止まったと判断しません。